Gunosy 沢村俊介 ゲームエイト グノシー 執行役員 COO 新任 最高執行責任者

こんにちは!広報の鈴木です。今回は2023年12月から新体制に移行した株式会社Gunosy経営陣の中でも特に広範囲を管轄する、執行役員COO(最高執行責任者)で、株式会社ゲームエイト代表取締役社長の沢村俊介さんにマイクを向けました。昨年よりゲームエイトのCEOとして辣腕をふるっている沢村さん。ファーストキャリアがリクルートと聞くと順風満帆なキャリアを歩んできたように思われがちですが、実は自ら「茨の道を選ぶ」かのようなアグレッシブな経験を積んでこられました。インタビュー後、動画に撮っておけばよかったと後悔するほどエピソード満載の1時間を凝縮してテキストにまとめましたので、ぜひご一読ください。

Gunosy 沢村俊介 ゲームエイト グノシー 執行役員 COO 新任 最高執行責任者

ビジネスに大切なマインドは全てリクルートで学んだ

-まずは沢村さんのこれまでのキャリアを教えていただけますか?

大学を卒業した2007年、新卒としてリクルートに入社します。最初はホットペッパーの営業からスタート。大阪勤務だったので北新地の小料理屋さんとか個人経営の居酒屋に飛び込む毎日でした。だけど次第に営業戦略そのものに疑問を抱くようになります。それを部長やマネジャーにぶつけるのですが、あまり営業成績がよくなかったことから「何を生意気な」と相手にされないんです。それで2年目にMBA取得に向けて動き始めます。

当時のことですから言っても差し支えないと思いますが、夜遅くまで働いてからレポートを書く生活。睡眠時間2~3時間というハードな毎日でした。その結果、理論武装できるまでの知識は得たのですが、そうなると今度はさらに上を目指したくなります。そこで社内の異動制度を使って別部署に行こうと決意しました。

-新卒3年目にしてすごい行動力ですね

せっかく異動するなら、と当時の花形部署だったHRの商品企画を志望しました。常識で考えるとホットペッパーの営業3年目でそれほど売れてないヤツが採用されるわけないんですが、なぜか合格。「君の熱意と勉強する姿勢が気に入った」と評価していただき、勢いこんで東京へ乗り込みます。しかし配属先の部署は非常にハイレベルなマーケティング理論が飛び交う現場。実際に手を動かしたことのない僕は周囲についていくのがやっと、という有様でした。

-リクルートのHRの商品企画といえば業界を牽引してましたからね

在籍中にチームで賞をもらったのですが、正直貢献できた実感はそこまでなかったですね。とはいえ、プロダクトの裏側の動きがひと通り把握できました。一定の収穫が得られたので今度は同じHRでも大手の法人営業に異動します。もちろんここもエリート中のエリートが集まる部署で、相当なストレッチがかかりましたね。1年ほど経験を積んだのち、今度は経理に異動志望を出します。

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意外に思われるかもしれませんがもともといずれは経営者に、という思いを持ってリクルートに入社しました。だったら営業だけやっていてはダメだと。マーケティングも商品企画も経験として得られたから最後はお金周りを学ぼう、という僕としてはごく自然な理由から経理を選んだんです。

-しかしよく志望が通りましたね

そうですよね、僕もまさかと思いました(笑)。リクルートのコーポレート組織といったら公認会計士や税理士といったスペシャリスト、あるいは海外のMBA保有者か国内有数の大学卒業者が多い組織ですからね。営業6年目からの異動なんて聞いたことないって言われました。

ところがここも熱意と突破力で潜り込むことに成功。例によってとんでもなく優秀な周囲にひっぱられつつ、いろいろと経験を積むことができました。もちろん苦労は絶えませんでしたが(笑)。

で、ここまで来てリクルート内で大きな事業責任をもらうには相当な時間がかかるな、と自覚もあったことから卒業を決意します。次の会社で社長になろうと某大手通信企業の子会社社長募集にエントリーしたんです。

-それまでにマネジメント経験は積んでいたのですか?

リーダークラスまでの経験しかありませんでした。ただ一次面接でいきなり出てきた社長に向けて僕なりの経営プランをプレゼンしたら「OK、君の入社を待ってるよ」って(笑)。そのまま採用されたわけです。

ところがいざ入社してみると僕が社長になるはずだった子会社は売却したと。その代わりといってはなんですが、ものすごく広い社長専用のフロアの一画に僕専用のブースが用意されていました。そして翌日からは役員との面談がどんどん組まれていったんですよね。

恐れ多いにもほどがあるんですが、ビジネスモデルを書いたメモを持って社長のもとに行き「こんなのどうですかね」「おお、面白そうだな」なんてやりとりをしていました。社長も物怖じしない僕をかわいがってくれました。

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一緒にビジョンをつくり、経営するCOOとして

-そんななか海外に行かれるわけですね

いくつかスタックしている事案があったんですが、そのうちの一つが台湾の大きなコングロマリット(複合企業体)とのJV(ジョイントベンチャー:複数の企業が共同出資で立ち上げる新規事業)立ち上げでした。もともと海外面白そうだな、と思っていたので自ら志願して海外戦略室に異動。最初は完全に止まっていたプロジェクトでしたが、1年半ぐらいかけて交渉を粘り強く実施。結果、最後は沢村さんが社長をやるならいいよと合意を取り付けることができました。そこで単身、台湾に乗り込んだんです。

台湾でも得難い経験の連続で、記事にはできない面白いエピソードが山ほどあります。言葉がわからないので日本語のできる秘書を雇うところからはじまって、現地のスタートアップ企業の買収やインターネット予約サービス運営などいろいろ手掛けました。最終的には家庭の事情で帰国することになったのですが、本当にいい経験が積めました。

-帰国後は大手通信会社に戻られたのですか?

その会社のビジネスモデルは勉強になったし、ご恩も感じていたのですが、もう少しカラーの異なる経験も積みたいと思い再度転職を決意しました。その後一社経た後あらためて次のキャリアを考えた際に、会社経営に責任を持てるポジションを希望したいと考えていました。企業側から嫌われることを承知で敢えて「COO縛り」で選考を受けようと考えました。何回でも面接に応じますし、何かオプションをつけても構わない。ただ入社するときはCOO以外は受けないという覚悟で活動していました。

-ポジションを提示すると嫌がられる…かもしれませんね

最終的には4社ほどからCOOでオファーをいただけたんです。事業が軌道に乗ろうとしているタイミングでビジョナリーなCEOの想いを形にするとともに成長にドライブをかけてほしいという会社もありました。既存事業が成熟しているため新規事業をいくつか立ち上げてほしいという会社もありました。

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どの会社のCEOもエネルギッシュで、素晴らしいビジョンの実現に向けて邁進されている方ばかり。どこに行っても新しい挑戦を楽しめそうな感覚はありました。

-その中の一社がゲームエイトだったわけですね

そうです。ただ西尾さんは他のCEOとは少し毛色が違っていました。当時28歳という若さで、物腰は柔らかく、見た目もソフト。少年のような澄んだ目をしていました。実際に会話をしてもとても控えめで事業の将来性やビジョンを雄弁に語るのではなく、課題を淡々と並べて「この部分をお任せしたい、お願いします」というスタンスでした。

-沢村さんから見て誠実なタイプのCEOだったと

最初の出会いから2週間で7回ほど面談を申し込まれたんですが、最後は当時僕が住んでいた三鷹にまで来て「沢村さん、一緒に経営しましょう」と言ってくれたんです。このひと言が決め手となりました。CEOが描いたビジョンを実行する一般的なCOOではなく、一緒にビジョンを作る新しいタイプのCOOになろう、と。

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圧倒的スピードでゲームエイトを成長軌道に

-ゲームエイトで最初に取り組んだのは何でしたか?

入社前に「就任3ヶ月プラン」というものを作りました。テーマとして設定したのはCOO業務のオンボーディング、事業・組織戦略の再構築、社内キーマンへのアプローチ。西尾さんにも時間をいただいたことで方向性や価値観のすり合わせをスピーディに進めることができました。

結果として全社から部門まで一連の戦略構築、製販一体の事業部制への移行、経営企画組織立ち上げ、人事制度設計、そして目標管理制度導入までを3ヶ月で実現。想定以上に短期間でやりたかったこと、やるべきことを実行できたと思っています。

-かなりスピード感ある改革ですが現場からの反発などは?

もちろんありました。アンケートを取ったら施策に対して現場から複数のクレームが来てまして。マネジャーが僕を飛ばして西尾さんに「沢村さんへのクレームがこんなに」と報告したんです。でも西尾さんは迷わずに「それ沢村さん本人に伝えましょう」と。

-めちゃくちゃ率直ですね

そうなんです。僕と西尾さんの間でいまも大事にしているのが率直なフィードバックの関係性。お互いのためと思って言いづらいことでもそのまま言いあおうと約束しているんです。現場からのクレームの時もかなり落ち込んだんですが、率直な提言を素直に受け入れることで改善までのスピードも早く、また僕自身の成長にもつながりました。

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-どのような点で成長できたのでしょうか

強さを無理やり押し出さないってところですかね。これまでのキャリアはビジョナリーなCEOの元だったので、押し出しもそれなりに強かったんです。ゲームエイトでも最初はその勢いでバーっと動かしていったんですが、そういうやり方じゃなくてもいいんだなと。むしろゲームエイトのカルチャーを考えると、もう少し自分の見せ方も変えるべきではないかと思えたんです。

また直接関与しなくても誰かを挟んだり距離を取ることで結果的に上手く組織が回ることもありますよね。なんでもかんでも膝をつき合わせて正面から突破するだけが組織の課題を解決する方法じゃない。ゲームっぽくいうと「アイテム」が増えたことが僕にとっての成長かなと思います。

-西尾さんとは似た者同士?

いや、タイプはまるで違います。入社して4、5年でサシ呑みはたったの2回というくらい。でもずっと一緒に経営をやってきたので、ボスであるとともに戦友といった感覚ですね。もちろん連絡は毎日しているし、週2~3時間は話しています。これまでにすさまじい量の議論をしてきましたが、揉めたことはありません。

事業運営に関する意思決定はなるべく任せてくださいとお願いしたのは僕からですが、実際に多くの意思決定を任せてくれた西尾さんには本当に感謝していますし、リスペクトしかないですね。

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これまで以上の誇りと矜持を持って事業に立ち向かおう

-Gunosyにジョインする話を聞いたとき、どう思いましたか?

この体制ならできる、と思いました。つまり西尾さんがいて、コーポレートチーム、投資チーム、テクノロジーのチームが整っているので、事業面を僕が支えるという布陣ですね。これなら西尾さんは体制変更後の運営ができるだろうと。絶妙のタイミングとキャスティングだと思います。

体制変更後は、Gunosyとゲームエイト以外の事業ポートフォリオが増えるかもしれません。それも含めて会社という“箱”を今後どう成長させていくのかを、このメンバーでしっかり決めていこうという意図があると認識しています。

-新任COOとしてGunosyという組織をどう見ていますか?

GunosyってIT業界では知らない人はいない会社だと思います。IT業界で知っている会社をあげよ、みたいな設問があったら上位20社には必ず入るはず。歴史もあるし、ブランドもあります。

加えて公共性の高いニュース事業を手掛けているわけで。そのことに社員のみなさんはこれまで以上に誇りを持ってもいいんじゃないかなと思います。社内ではキュレーションメディアとか広告という側面で捉えている方の方が多い印象です。

-メディアとしての矜持を持っていいと

時代の変遷とともに主役となる媒体は移り変わりますが、僕らがマスメディアの一翼を担っていることには変わりないと思うんです。日本人の人口から乳幼児と高齢者を除くと1億人。そのうちの1%以上がグノシーを毎日必ず見ていることになる。日本人の1%に情報を届けているんです。これ、すごいことだと思うんですよ。

ニュースメディアって消費者を動かす力がある。トピックスの選び方によっては流行や文化を生み出すこともできる。どんな特集を組み、どんなユーザーに届けるか。自分たちで決められるんです。すごく責任の重い仕事だし、誇りやプライドを持って事業に立ち向かうべきだと思っています。

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もう持ってやってくれているのかもしれないけど、もっともっと持っていい。少なくとも僕はそういう気持ちでCOO業務に取り組むから、いますごくワクワクしています。

-誇りについては以前、木村さんも全く同じことをおっしゃっていました

ただ、現時点ではビジネスモデルとの両立に課題があります。昔の体制のままではいずれ限界がくるから、そこは変えていかなければならないと考えています。どこにリソースをフォーカスするか、しっかり練った上でみなさんにお示しする部分ですね。

-沢村さんが仕事の上で大切にしていることってなんですか?

スタンスの面では誠実さですね。嘘を付かない。正直に言おう、開示しようというタイプですね。そして仕事の進め方はせっかち。だいたい資料づくりが嫌いですからね。パワポをきれいにまとめることにはあまり価値を感じません。企画を考えるのも一週間だらだら時間をかけるよりも集中して15分、みたいなスタイル。みんな優秀だからできると思いますよ。

-社風についてはどうお考えになっていますか?

Gunosyとゲームエイトにはそれぞれ個別のカルチャーがあるので、それは尊重すべきだと思います。どこまで交流するか考えなきゃいけないけど、少なくともいまの時点で一気に混ぜる必要はまったくないですね。

僕がゲームエイトの文化やスタイルをGunosyに持ち込むのも違うと思います。Gunosyの歴史、事業、ユーザーをリスペクトした上で、僕なりのやり方でやるべきでしょう。むしろゲームエイトのカラーは一切出すべきではないと考えています。

-その上でGunosyの社員たちにどんな感覚を味わってもらいたいですか?

まだ構想中で具体的な話ができないのが申し訳ないのですが、今後の展開を聞いてワクワクする人が増えてくれるといいなと思っています。構想ばっかりで手が追いついてないけど、これからどんどん面白いことやるから一緒に頑張ろうよ、という想いは伝えたいですね。

いままで以上に人を活かして、いままで以上にみんながハッピーになれる組織。そして携わっていることにみんなが誇りを持てる事業づくり。ここまでGunosyが培ってきてくれたブランドやプロダクト、ユーザー含め、全てのステークホルダーに「三方よし」を届けたいと思っています。

-ありがとうございました!これからもどうぞよろしくお願いします

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【Profile】
株式会社Gunosy 執行役員COO 株式会社ゲームエイト 代表取締役社長 沢村俊介さん

関西学院大学商学部卒。2007年株式会社リクルートに入社後、複数社で投資先やJVの役員を経て、2018年9月に株式会社ゲームエイト入社。最高執行責任者COO、取締役最高執行責任者COOを経て、2022年6月よりゲームエイト代表取締役社長CEOに就任。2023年12月より株式会社Gunosy 執行役員 最高執行責任者(COO)を兼任。

投稿者 SuzukiSayuri