「GUNOSY AWARD 2027」インタビューの第3回は、見事チーム賞を受賞した新規事業開発室の皆さんです。IR Hubリリース当初の受注が伸び悩む厳しい局面から、あえて営業を一時停止してプロダクト改善に振り切るという大きな決断を下し、事業をV字成長へと導きました。新規事業の最前線で職域の壁を越えて連携する、PM兼営業をはじめとする各領域のプロフェッショナル6名にお話を聞きました。

6人全員で成し遂げたV字成長

Gunosy Award チーム賞の受賞、おめでとうございます!チーム名が呼ばれた瞬間の感想や、受賞を受けての率直な気持ちはいかがですか。

有井:チームとしてこのような賞をもらえたのは久しぶりだったこともあり、本当に驚き、そして嬉しかったです。この1年間は、6名全員がそれぞれ顧客の課題解決に向けて、自分の限界を超えるような熱量で取り組んできました。この6人がいなければ、この1年の成果は絶対に出せなかったと感じています。

菊池:職域を超えて本当にみんなで仕事をカバーし合いながらプロダクトを推進してきたことが、目に見える形で評価していただけたことがすごく嬉しいです。

井口:プロダクトの改善はもちろんですが、開発プロセスにおいてもLLMをフル活用して試行錯誤を繰り返しました。LLMなしでは達成できなかった成果だと感じています。

鈴木:エンジニアがトラブルの未然防止や即日対応を行い、デザイナーが実装にも関わるなど、それぞれが職域を侵食し合うように連携できたことが受賞や受注増加に繋がったと思っています。

伊藤:職種が溶け合っていく中でも、お互いへのリスペクトが根底にあるチームだからこそ、うまく稼働して成果に結びついたのだと思います。

加藤:少数精鋭のチームですが、それぞれが自分にできることを最大限に発揮して頑張った結果だと思います。それが目に見えて評価されたのは本当に嬉しいです。

― 改めて、皆さんがこの1年間、チームの中でどのような役割を担ってきたか教えてください。

井口:翻訳機能の改善を中心に、お客様からの不具合報告などへの即日対応を幅広く担当しています。

菊池:主にマーケティングとセールスです。商談の獲得から、プロダクトや価格などのブラッシュアップに注力してきました。

鈴木:エンジニアリングマネージャーとして、開発を止めないような全体進行と、直近では新機能である「面談」のリリースなどを担っています。

有井:PM兼営業として、顧客から課題をヒアリングして整理し、各チームと連携しながらプロダクトに落とし込む役割です。

伊藤:プロダクトのUIデザインから、LPや営業資料などユーザーと触れるコミュニケーション部分全般のデザインを担当しています。

加藤:カスタマーサポートと有井さんの営業サポートを担当しています。具体的には商談準備や請求管理など、幅広くチームを支えています。

リリースから1年、受注が落ち込む時期もあったと伺っています。PMとしてどのように立て直しの舵取りをされたのでしょうか。

有井:リリース当初の機能だけでは顧客の課題が小さく、なかなか利用に繋がらない苦しい時期がありました。そこで顧客の要望が大きかった新機能をリリースしたものの、技術的な難易度が高く、顧客の求める水準に品質が届かず失注するなどの苦戦が続きました。そこで思い切って営業をストップし、製品の品質改善に全振りするという意思決定をしたことが、結果的にブレイクスルーに繋がりました。

営業がストップしている間、開発やビジネスサイドではどのような試行錯誤があったのでしょうか。

井口:お客様からの不具合報告には即日対応し、大きなトラブルに発展させずその場で解決することを徹底しました。また、LLMが発展していく中でも時間のかかる泥臭い作業こそが競合優位性になると信じて、徹底的に改善を繰り返しました。ただLLMに頼り切るのではなく、人間がコードを理解・管理しきれる限界のバランスを探り、LLMが書いたコードがブラックボックス化し、人間が理解できなくなる「認知的負債」を防ぐ工夫をしながら試行錯誤を重ねていました。

菊池:ビジネス側も立ち止まっていたわけではなく、限られたターゲットに対して様々なアプローチを模索しました。プロダクトの価値と価格のバランスを見極めながら、改善のスピードを回し続けた1年でした。

鈴木:エンジニアとしては、LLMが出たことで手数を圧倒的に増やせたことが大きかったです。手作業では不可能だったアプローチを素早く検証できるようになった結果、改善スピードが格段に上がりました。

有井:外部の翻訳者にレビューをもらったり、社内のコーポレート本部のメンバーに実際に触ってもらい生の声を聞いたりもしました。そこで得た「実務担当者のリアルな感情や目線」が、営業再開時のトークの説得力や、お客様の安心感に直結したのも大きかったです。

職域の融解とスプリント廃止が生み出す圧倒的スピード

デザイナーの視点から、スピードが求められる中でどのようにクオリティを担保していたのでしょうか。

伊藤:開発スピードが速い中でも、ユーザーにとって使いやすい体験が作れているかを常に意識していました。デザインシステムを構築しベースのルールを整えることで、自分がいなくてもエンジニアやビジネス側のメンバーがAIを使ってブレずに画面を作れる仕組みにしたことが、スピードと質の両立に繋がったと思います。

有井:伊藤さんはプロダクトのUIだけでなく、LPや営業資料など非常に幅広く対応してくれています。デザインシステムを作ってルール化してくれたおかげで、ビジネス側もズレずにスピーディに動けるので、本当にチームの宝だと思っています。

裏側からチームを支える存在も欠かせなかったと思います。加藤さんは日々のサポートでどのようなことを意識されていましたか。

加藤:多くの商談が入る中で、有井さんが少ない準備時間でも商談に集中できるよう事前の準備を徹底しました。プロダクトが改善されていくにつれてお客様の反応が良くなり、長期契約に繋がっていくのを肌で感じられたのは嬉しかったです。最近ではエンジニアの皆さんに協力していただき、手作業で行っていた請求管理システムを自動化できたことも大きな変化でした。

職能が違うメンバーが集まる中で、チームとしてどのように議論を進めているのでしょうか。

鈴木:全員が芯となる意見を持っているので建設的な議論は日常茶飯事ですが、お互いにリスペクトがあるため、最終的にはそれぞれの意見を統合して最善の方向に向かっています。開発手法も大きく変わり、1週間単位の計画を立てるスプリントを廃止しました。顧客の要望を聞いてすぐに出すというリアルタイムな動き方に変わったことが、今のチームの最大の強みになっています。

有井:チームが洗練されていく中で、以前は全員で話し合っていたものを、今は「必要な人だけで集中的に話す」というスタイルに変わりました。

鈴木:例えば新機能の面談については必要な3人だけで議論するなど、分科会化したことで日常のミーティング時間が短縮され、よりスピーディに開発が進むようになりました。

有井:それに加えて、営業と開発チームの距離が非常に近いのも私たちの大きな強みです。要望に対する「できる・できない」の判断や想定外の不具合対応が極めて早いため、それがお客様の安心感に直結し、結果として受注や継続率にも大きく貢献しています。

上場企業3,900社への導入を目指して。次なる挑戦と野望

最後に、今回の受賞と1周年を節目として、これからの2年目に向けた意気込みを教えてください。

有井:日本の上場企業約3,900社すべてに導入されるようなプロダクトを目指しています。そのために、今の翻訳機能だけでなく新しい機能も展開し、再現性を持って顧客に価値を届けられるチームを作り続けたいです。

伊藤:ユーザーにとってなくてはならない愛されるプロダクトに育てるとともに、細部のUIや表現にも厚みを持たせ、デザインでも高く評価されるようなブランドを形成していきたいです。

加藤:AIなどをさらに活用してスピード感を持って業務をこなし、チームの売上やお客様への貢献に直接繋がるようなサポートを極めていきたいと思っています。

鈴木:IR Hubという名前の通り、IRのハブにどんどんなっていくために機能をさらに追加し、複数のサービスを揃えたブランドとして確立していきたいです。

菊池:IR市場におけるプレゼンスを発揮すること、そして社内における事業としてのプレゼンスを高めることの2点を目指し、そのためにやれることは何でもやります。 

井口:今後事業が成長していく中で、事業自体を捉え直さなければならない大きな壁に必ずぶつかるはずです。その時には、目の前の対応だけでなく、全体を俯瞰して考える時間もしっかり持ちながら、チームで乗り越えていきたいです。

【profile】新規事業開発室所属 IR Hubチーム(前列左から:加藤さん、有井さん、鈴木さん/後列左から:伊藤さん、菊池さん、井口さん) プロダクトリリースから1年で「Gunosy Awardチーム賞」を受賞。ビジネス、開発、デザイン、サポートの6名が職域を超えて連携し、逆境から事業をV字成長させた少数精鋭のプロフェッショナルチーム。

今日から実践できる、仕事を前に進めるヒント

IR Hubチームの皆さんへのインタビューを通して見えてきたのは、逆境の中でも決して諦めず、顧客課題の解決に向けて泥臭くプロダクト改善に向き合う真摯な姿勢でした。最新テクノロジーを駆使しながらも、それぞれの専門領域を超えてカバーし合う「職域の融解」、そして互いへの深いリスペクトをベースにした柔軟なチームワークこそが、事業をV字成長させ、限界を超えて仕事を前に進める大きな推進力になっているように感じます。

  1. 自身の「職域」に縛られず、互いへのリスペクトを持って連携する
  2. AIの力をフル活用しつつ、「泥臭い手作業や改善」からも逃げない
  3. これまでのやり方に固執せず、状況に合わせて柔軟にプロセスを変える

―次回の「GUNOSY AWARD 2027」ノミネート者インタビュー最終回もぜひお楽しみに。

※撮影場所:渋谷スクランブルスクエア

投稿者 gunosiru