Gunosy 小出 幸典 CTO 最高技術責任者 執行役員

グノシル Executive Interview Session

小出 幸典/執行役員 最高技術責任者(CTO)兼 テクノロジー本部 本部長

こんにちは、人事の小嶋です。Gunosyの行動指針『Gunosy Pride』の現場における浸透度合いを探るインタビュー企画。第2回目の今回は執行役員 CTO 兼テクノロジー本部の本部長を務める小出さんにマイクを向けてみました。事業部ごとに分かれていたエンジニアを一つにまとめた新体制が走り出したのが今年の6月。部署を統括する小出さんはいま、事業や組織、そしてGunosy Prideにどんな思いで向き合っているのか。お話を聞いてみましょう。

Gunosy 小出 幸典 CTO 最高技術責任者 執行役員

“三方よし”の観点から全体を俯瞰する重要性

-エンジニアが一つの組織にまとまって約4ヶ月ですが、変化を感じますか?

横のつながりが濃厚になったことと人員計画、育成計画がスムーズにいくようになった点が大きいですね。どこのプロダクトにどれぐらいのエンジニアが必要か把握しやすいんです。またプロジェクトへのリソース振り分けも融通しやすくなったし、何より意思決定のスピードが圧倒的に上がりました。

今後はさらにミッションの再定義、それをベースにしたチームの再組成によって有機的にコラボレーションできる体制づくりに力を入れていくつもりです。どのようにチームを組成するとより生産性が上がるかといったテーマは継続的に考えていく必要がありますからね。

-テクノロジー本部が顧客に提供する価値とはどんなものでしょうか?

プラットフォームビジネスを手掛けている以上、三方よしを常に念頭に置く必要があります。アプリを使ってくださるユーザーさん、広告を出稿してくださる広告主さん、そしてコンテンツを提供してくださるパブリッシャーさん。この三者に自分たちも含めたみんながハッピーになることが何より肝要かと考えています。

Gunosy 小出 幸典 CTO 最高技術責任者 執行役員

アプリユーザーさんには情報が最適に届き、興味あるものや新しい気づきが得られること。広告主さんにはターゲットユーザーからのコンバージョン。パブリッシャーさんにとってはより多くのユーザーとのタッチポイントが生まれること。こういった一つひとつのベネフィットの創出に僕らは技術面からアプローチしています。

-その上で大事にしなければならないことは何でしょう?

一箇所だけではなく事業やプロダクト・プラットフォーム全体を俯瞰して見ることで、なるべく多くの人の課題を解決する。これが何より重要だと思います。先ほども申し上げた通りプラットフォームビジネスはいろんなステークホルダーが存在することで成り立つもの。どこかに偏るのではなくバランスよく価値を提供しなければなりません。

メディアアプリ担当、広告システム担当、パブリッシャー向けシステム担当といったチーム分けこそありますが、それぞれが担当領域だけを見るのではなく事業全体、プラットフォーム全体に興味関心を持ちつつ情報や課題をキャッチアップしていく体制の構築が大切ですね。そういう意味でもまだ道半ばではありますが、今回の組織統合は大きな一歩目が踏み出せたかと実感しています。

Gunosy 小出 幸典 CTO 最高技術責任者 執行役員

技術はあくまでも手段。課題ドリブンであれ

-小出さんが理想とする組織、こうありたいという組織を教えてください

事業に向き合うことが何より大切ですね。いつも口にしているのが、技術は目的ではなく手段だ、ということ。エンジニアですから新しい技術があれば使いたくなるのは当然ですし、モダンな技術に走りたくなる気持ちもわかります。でも忘れてはいけないのは、それが何を解決する技術なのかをよく考えること。何が課題なんだっけ?何を解決したいんだっけ?と課題の原点に立ち返るべきなんです。

そのためにも事業やプロダクトがどうなっているのかを見ながら課題ってなんだろうと考えることが重要。それに対して解決につながる技術はもしかしたら新しくなく、流行りでもなく、古くからあるものかもしれない。でもそれが適切なものであればきちんと選んで使える。そういうエンジニアの集団であり、組織でありたいですね。

-それにはエンジニア自身の素養や資質の他にも場作りも大切では?

そうですね、そのためにも考える人とつくる人みたいな線引きをしないことが大切かなと思っていて。こういう施策を打ったほうがいいんじゃないかと考える人と、それを粛々とつくる人、みたいな分断を起こさないチームづくりですね。正直まだ僕らも上手くできているとは言い切れないですが、企画職やディレクター職とエンジニアが一緒に考えて一緒につくれる組織を目指しています。

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-そういう環境で活躍できるのはどういったタイプでしょうか?

やはり事業側、ビジネスサイドの人たちと本当の課題は何なのかを議論し、しっかりと考えながら開発を進められる人でしょうね。つくるものが決まったあとでそれを粛々と遂行するタイプではなく、何を解決するんですか、という手前のところから入ってくれるエンジニア。Gunosyの開発組織には「言われたものをただつくるのでは介在価値はない」という意識を持って欲しいという気持ちがあります。

-主体性や能動的であること、当事者意識などが求められるんですね

もちろん、より技術に向かい合いたいというタイプのエンジニアをないがしろにするものではありません。開発組織ですから技術レベルや品質の担保には専門性の高い人が必要ですし、当然求めていきます。

その上でひろくみんなに事業に興味を持ってほしいというのが正直な思いです。

Gunosy 小出 幸典 CTO 最高技術責任者 執行役員

事業の構造を科学する、これからのエンジニア

-エンジニア組織ではGunosy Prideはどのように運用されていますか?

いわゆるお題目のように唱えるものではなく、考え方や思想に帰依すると考えています。個人的にも組織的にも「サイエンスで機会をつくる」が特にフィット感あるなと思っていて。「サイエンスで機会をつくる」とは技術を使って新しい何かをつくるというニュアンスもありますが、もう一つ、事業や生産活動の構造を科学していくという捉え方もあるんじゃないかと。

僕らはいろんなものをつくっていますが、そこにアサインされたエンジニアのリソースは投資なわけですよね。要は人をたくさん投入するということはそれだけお金がかかっているんです。じゃあそうやってつくられたものがきちんと事業成果に結びついていますか?というところをよりハッキリとわかるようにしているんです。

-費用対効果のようなものでしょうか

単に実績ベースでの費用対効果を見える化するだけではなくて、たとえばつくりたい機能に対して実現すると得られる効果を算出し、その効果にどこまで投資して良いのかまでを明確にする。期待される効果があったとしてもそれを遥かに超えるリソースの充て方をしてしまっては事業として成り立ちませんよね。適切な投資ってどれぐらいなのかを見える化し、意思決定をしていきたいんです。

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また、それぞれ期待される効果と、これぐらいで実現できるだろうという見積もりに対して計画通りにいったかどうか。もしいっていないなら何が課題か。そこから次に繋がる示唆を得ようということですね。より生産活動を科学していく、みたいなマインドにエンジニアのみんなも変化しつつあります。

-それこそ中長期的に見て市場価値の高いエンジニア像なのかも

まさしくですね。ともすれば技術やモノづくりに走りがちなエンジニアに幅広い視野を持たせてあげられる環境がGunosyにはあると考えています。いわゆるローコードやノーコード、ChatGPTを使えばある程度動くコードが書ける社会になりつつありますよね。やったことのない分野でも割と効率よくモノづくりができる。

よくエンジニアの仕事が奪われる的な側面での議論があると思いますが、これからの世の中で存在価値を提示するにはサイエンスで機会をつくる=事業構造や生産活動を科学するエンジニアを目指すのはなかなか的を射た選択肢ではないでしょうか。

-本日はありがとうございました!

Gunosy 小出 幸典 CTO 最高技術責任者 執行役員

小出 幸典/執行役員 テクノロジー本部 本部長

慶應義塾大学政策・メディア研究科修了。アクセンチュア株式会社を経て、2014年Gunosyへ入社。メディアプロダクトの配信アルゴリズム開発や、全社データ基盤構築等を担当し、2019年7月より執行役員 最高技術責任者(CTO)。2023年6月よりテクノロジー本部 本部長を兼務。

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投稿者 OjimaRyo