Gunosy 岩瀬 辰幸

グノシル Executive Interview Session

岩瀬 辰幸/執行役員 最高財務責任者(CFO) 兼 コーポレート本部 本部長

こんにちは、広報の鈴木です!Gunosyの行動指針が『Gunosy Pride』にリニューアルされて2年。SlackでもGunosyPrideの三方よし、サイエンスで機会をつくる、百年クオリティ、逆境に熱狂せよ、という言葉が使われるようになり、半期を振り返る締め会でもGunosyPrideを起点にした表彰発表となりましたが、実際に事業や組織づくりにおいてどれほど影響があるのか…なかなか定量で図りにくいテーマではありますが、それぞれの部門を統括する責任者にマイクを向けてみます。初回はCFOであり、コーポレート本部(管理部門)の本部長でもある岩瀬さんです。

Gunosy 岩瀬 辰幸

“三方よし”の体現を中長期だけでなく短期でも

-はじめにコーポレート部門のミッションを教えていただけますか?

直接の顧客は社内になります。さまざまな部門へのサービス提供ですね。もちろん経営陣も含まれます。一方、間接的には社外のお取引様、株主・債権者のみなさまをはじめとするすべての関係者が顧客である、といって差し支えないでしょう。

社内の各部門へは現場が事業を推進する上での適切なサポートを行っています。より速く、かつ質の高い活動ができるための支援ですね。また管理部門の安定稼働そのものもひとつのサービスであると考えています。会社運営基盤が盤石という安心感は現場だけでなく、経営陣にとっても有益。特に意思決定の際には大きな提供価値となります。

社外の関係者へは、ファイナンス面では株主のみなさまに自社の価値を適切に伝えること。そしてコンプライアンスとガバナンスの番人としての価値を発揮すること。これらの活動を通じてGunosyに関わってくださるすべての利害関係者のみなさまが安心して当社とお取引できる環境を整えるのが主な業務です。

-いま安心感というキーワードが出ましたが、もう少し細かくお話いただけますか?

現場の安心感としては2つあります。まず大胆な挑戦の際に背中を預けられるということ。そして会社の屋台骨としての存在感ですね。コーポレート本部としての厚み、重みを持つことはフロントオフィスが真価を発揮する上で欠かせない要素だと思います。

Gunosy 岩瀬 辰幸

経営陣にとっての安心感は大きな意思決定の際に関連部門のひとつとしてコーポレート本部に組織的な能力があるということ。大胆な意思決定の場面では現場同様、管理部門が信頼できるかどうかは重要だと思います。

会社として中長期での価値の最大化を追求することは、株主はもちろん経営層や従業員に共通する願いです。これを俯瞰しながら担保するためにあるのがガバナンスでありコンプライアンス。当たり前の最低限を無視すると短期的には利益が出ても必ずどこかで破綻します。中長期的な観点で持続可能な組織にする必要があります。

-自社だけでなく、三方よしであるべきだと

とはいえ中長期のために短期をおろそかにすると、それはそれでひずみになっていきます。短期でも三方よしを体現していくこと、中長期的にも三方よしであること。このバランスがなにより大事だと考えています。

“サイエンスで機会をつくる”はコーポレート本部から

-岩瀬さんが理想とする組織についてお聞かせ願えますか?

コーポレート本部の目指すところは適切にリスクテイクができるような組織ですね。保守的にならずに、攻めつつ、という。そしてもうひとつ、テクノロジーに強い管理部門をつくりたいと考えています。

Gunosyはテクノロジー企業である以上、最先端の技術にチャレンジするのはフロントオフィス業務や開発に閉じた話ではありません。コーポレート本部でも生産性の向上に熱い意欲と技術を持って妥協せず取り組んでいくべきでしょう。

Gunosy 岩瀬 辰幸

それが実現できれば単純作業の業務から解放され、より「考える」ところに付加価値を移していけます。難易度の高いリスク判断にも解像度の高い意思決定を提供できるようになる。加えて浮いた時間や余力で自分のスキルの研鑽もできる。好循環が生まれる状態をつくっていきたいです。

-Gunosyの場合、DXも進んでいるのでは?

DXって決して簡単ではなくて、業務理解とテクノロジーの組み合わせだと思っています。つまり管理部門とエンジニアや情報システム部門などのDX部隊がタッグを組む必要があるんです。もちろん最初からは上手くいかないでしょう。思考や思想の行き違い、コミュニケーションの齟齬などから意見の食い違いが起こりがちです。

ただ、だからこそできるだけ早い時点からトライアンドエラーを繰り返していくことが大事ではないかと思うんです。ぶつかりあった先にお互いの理解が深まっていく中で、組織的な能力も拡がりを見せるはず。

昨年、澁川執行役員の入社とともにDXチームが立ち上がりました。これまでに仕込んできたものが実装されつつある段階を迎えています。まだ改善の余地はあるでしょうが、着実に前進していることが肝心です。ここから成功体験を積み、知見を貯めて、より大きな挑戦につなげて成果を出していければ合格だと思っています。

-コーポレート本部の社員にはDX推進の感度をつかんでもらいたいと

そうですね。もちろんキャリアプランについては本人の希望を最大限に考慮してつくっていくものだと認識しています。金太郎飴のように一律の知識や技術、経験を与えるつもりはありません。それぞれのキャリアプランの上で、個人の目標と会社の目標との整合性をとっていくことを実践しています。

Gunosy 岩瀬 辰幸

ただ、その中で私自身としてはやはり最新のテクノロジーを導入できるコーポレートのメンバーになってほしい、という思いはあります。LLMを普通に使いこなせる。特徴をよく理解して、SaaSの導入含めて意見を持てる。オペレーションに対して最適な標準化とツール選定までの絵が描ける。そんなコーポレート人材はこれからの社会で最も必要とされるはず。このスキルを身につけられる機会は提供したいですね。

-逆に社員側が求められる素養などはありますか?

柔軟な思考ですね。過去の自分が積み上げてきた成功体験や経験をいい意味で否定できること。0から考えられることが大切です。失敗を恐れず、過去のものを否定しつつ新しいものに挑戦する人材が活躍できる環境だと思います。

知的好奇心も持っていてほしい。Gunosyは環境の変化が激しい会社です。しかも目指しているのが世の中の最先端ですので、知的好奇心が強く、気になることはなんでもかんでも調べて試したくなるような人なら実力を発揮しやすいでしょう。

“百年クオリティ”と“逆境に熱狂せよ”が共感を集める

-コーポレート本部ではGunosy Prideの運用をどのようになさっていますか?

当たり前の価値観として根付かせたい、と考えています。空気のような存在であり、それを土台に議論できるぐらいまで。そのためにいま、各部署やチームでGunosy Prideの体現の方向性についてまとめてもらっているところです。

Gunosy 岩瀬 辰幸

Gunosy Prideは私たちの価値発揮の源泉としてのツールです。社員一人ひとりが振り返りの場でGunosy Prideに基づいた行動をアウトプットし、フィードバックが受けられるような環境を整える必要があります。

言葉の解釈はひとそれぞれでいいと思うんです。ただそのレベル感や目線、プロフェッショナルとしてちゃんと一定水準に達しているかどうかはしっかりと確認していかなければならない。そういうところには私も積極的に介入し、一緒に議論を深めていきたいですね。

-Gunosy WayからGunosy Prideに変わって一番感じることは?

Gunosy Wayは数が多くて、覚えているものがいくつかに偏っていました。それがバランスを欠くことになってしまいましたね。行動指針って運用が肝で、つくったフレーズを現場に落とし込む経営層の力量が問われるものです。

Gunosy Prideは4つで覚えやすくなった。かつキャッチーな言葉で表現されているので、みんな意識しやすいし、当たり前のように口にすることができる。このバランスが一番大きな違いではないでしょうか。ここから運用を正しくすることで、みんなの中に生きた価値観として浸透させていければと思います。

Gunosy 岩瀬 辰幸

個人的には「三方よし」が肝かと思っていますが、コーポレート本部のみんなにとっては当たり前の前提ということもあるので「百年クオリティ」や「逆境に熱狂せよ」あたりが多くの共感を集めているんじゃないか、という印象です。

-言葉の変化がカルチャーに及ぼす影響というものはありましたか?

あるでしょうね。ただし基本的に数字へのコミットは変わらないはずです。株式会社ですから市場に対してコミットしている業績計画はしっかり達成すべき。その姿勢は会社として失ってはなりません。

ただし、数字の達成の中身が変わってきた、とは言えるかもしれません。数字だけ達成すればいいのではなく、短期と中長期の視点ですね。短期の数字のために中長期が犠牲になっていないかという観点が重視されるようになったと。

この数字を達成するために短期的に何をやったか。同時に中長期の価値は積み上げることができたか。両輪を見るようになりましたね。ただ、たとえ業績がついてこなくても正しいことをしているかどうかの価値判断軸としてGunosy Prideは機能すべきでしょう。

マクロの影響も含めて広告ビジネスですからどうしても市況の影響は避けられません。その中で自分たちが正しいことをできているかどうか、寄る辺としてのGunosy Prideであってほしい。そんな風に思いますね。

-ありがとうございました!

Gunosy 岩瀬 辰幸

岩瀬 辰幸/CFO コーポレート本部本部長

慶應義塾大学商学部卒。株式会社三菱東京UFJ銀行(現:株式会社三菱UFJ銀行)、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社、PwCあらた有限責任監査法人を経て当社へ入社。2021年6月より執行役員コーポレート本部、本部長。2022年8月より最高財務責任者(CFO)に就任。

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投稿者 OjimaRyo