Gunosy 代表取締役社長 竹谷 祐哉

グノシル Special Interview 

竹谷 祐哉/代表取締役社長

こんにちは!広報の鈴木です。今回のインタビューは代表取締役社長の竹谷さんです。創業時からGunosyとともに成長を遂げてきた、と語る竹谷さん。営業からマーケティング、さらにはプロダクト開発まで幅広い領域で「グノシー」アプリに関わってきました。

今回はそんな竹谷さんに創業からの10年間を振り返りつつ現在の組織やプロダクト、さらにこの先の10年でどんなことにチャレンジしていくのか赤裸々に語っていただきます。ぜひご一読ください!

(注:以降文中 Gunosy=株式会社Gunosy、グノシー=情報キュレーションアプリ「グノシー」を指します)

Gunosy 代表取締役社長 竹谷 祐哉

ベンチャーならではの熱量と活気、そして勢い

この10年を振り返ると、あっという間でありながら濃い時間を過ごしてきたな、というのが素直な感想です。

創業から上場ぐらいまではとにかく勢いがありました。資金調達に成功し、各メディアからの取材もどんどん入ってくる、テレビCMも打つ、という中でユーザー数もぐんぐん伸びていき、社内も異様な熱気に包まれていましたね。

とはいえ最初から何もかも上手くいったわけではなく、紆余曲折はありました。特にサービスに関してはコンセプトの斬新さとマーケット側のすりあわせが上手くいかなかったこともあり、ビジネスとして成長させるために試行錯誤の連続でした。

特に創業の頃は自分たちのサービスを大手ポータルサイトのように成長させるんだ、という野望に燃えていましたね。オープンプラットフォームにしていろんなサービスをつなぎ込んで、グノシーアプリ上で旅行の予約ができるようにしたり。

結局、その壮大なプランはあえなく見直すことになったのですが、ひとつ間違いなく言えるのはひたすら一生懸命だったということですね。あの当時の熱量はいま思い返してもすごかったです。わからないことだらけでしたが、熱さだけでチャレンジしていました。

Gunosy 代表取締役社長 竹谷 祐哉

プロダクトもいまと比較すると全然成熟度が足りない状態でしたが、欠けているピースをマーケティングや資金調達力などで埋めていました。当時は数字を出すことが是でしたから、CTR(クリック率)が稼げそうな記事の掲載に注力したり。

いまならじっくり考えられますが、7~8年ぐらい前は色んな方向に議論が走っていきました。正解がない中で成功に向けてのトライ&エラーを繰り返していたわけですから、仕方がないところもあったと思います。

そういった環境で個人的に磨かれたのは最後まで諦めないという意思の強さです。ベンチャーならではの成長痛ともいえますが、社内はもちろん社外でも市況の変化や競合の出現など、代表として日々ありとあらゆる問題や課題と向き合わざるを得ないわけです。

そんなときに折れることなく、立ち続けられること。これは経営者として実は大切なスキルであり資質なんじゃないか、といまあらためて実感しています。自分がしっかりしていなければ会社という組織を、そして社員のみんなを守ることはできませんから。

Gunosy 代表取締役社長 竹谷 祐哉

“ほどよい”状態から“なくてはならない”存在へ

そういったがむしゃら期を経ていまのグノシーはどうかというと、ほどよい状態にあるんじゃないかと思います。それはそのまま組織としてのGunosyにもあてはまりますね。

グノシーは一時、エンタメ偏重の傾向がありましたが、そこからは完全に脱却できました。社会的意義についてもご利用いただいているユーザーの皆様には価値を感じていただけていると確信しています。ただ、もっとやれると思っていて。

グノシーっていまはまだ、あると便利だけどないと困る存在にまでには至っていません。ないと悲しくなる、どうしてもほしくなるぐらいの存在を目指したい。そのためには徹底的に品質にこだわり抜かなければなりません。

絶対にグノシーじゃないと嫌だ、というところまで昇華させるには「グノシーでしか得られない情報体験」を提供する必要があります。大手ポータルや競合ニュースアプリとの差分を「百年クオリティ※」で埋めたあと、代替不可な価値をきちんとつくっていきたい。

※Gunosy Pride(当社の行動指針)のひとつ

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そのためにも現代の情報社会での課題をどう捉えるのか、という定義が大事になってきます。オリジナリティも大事だけど、どこまで自分のエゴを潰して客観的に世界を見ることができるか。いま評価されているアプリはどうなっているのか。競合は果たしてニュースアプリで正しいのか。縦横斜め、360度フラットに見つめる力が大切だと思います。

Gunosy 代表取締役社長 竹谷 祐哉

その上で考えているのは、新しい時代のニュースアプリのあり方です。グノシーも含めニュースアプリがこのままの形だとしたら30年後、デジタルネイティブは誰も使わなくなっているはず。われわれが提供する情報の価値って何なのか、そこから見つめ直さなければなりません。

いま注目しているのは個人がつくっている有意義なコンテンツですね。発信者が爆発的に増えている中で、新しい情報がじわじわ出てきています。これを上手にまとめることができたらひとつのバリューが生まれるだろうなと。

個人の情報発信についてはまだ未整備な世界ですが、だからこそ何かあるんだろうなと睨んでいます。こうしたニュース以外の情報もちゃんと扱える体制を整えていけると、またひとつ新しい価値の提示につながるでしょう。

情報の多様性を拡げていきたいですね。世の中の人たちが情報取得する行為はたとえ時代が変わっても一生続きますから。

Gunosy 代表取締役社長 竹谷 祐哉

みんなと一緒に成功体験を味わいたい

Gunosyの文化もずいぶん大人になりつつありますよね。リモートワークがさらに拍車をかけて、いまはプロフェッショナル感がかなり強い組織になっています。ただ根っこの部分ではアットホームなマインドも大切にしていきたいと思っているんですけどね。

社員のみんなに思うことは、ありがとうということ。Gunosyの社員でいてくれるだけで幸せなんですよ。ウチは決してぬるい環境じゃありませんよね。もっと楽できる会社なんていくらでもあります。それでも一緒に「逆境に熱狂」してくれる。本当に感謝しかないですよ。

現場に降りることも少なくないのですが、そこで感じるのは成長意欲が高い人が活躍しているなということ。厳しい環境にあえて介在することで状態変化を起こす。そこにこだわりを持つ人の集団のように思います。

売りやすいものではなくあえて売りにくい商品を売ることで真の営業力がつくとか、プロダクトが悪いなら改善するのが真のエンジニアや企画職であるとか。そのあたりに自分自身の価値を見出す人がたくさんいる印象です。そんな仲間と一緒に成功体験を味わいたいんですよね。

Gunosy 代表取締役社長 竹谷 祐哉

これから入ってくる人に期待するのは観察力。世の中を俯瞰的に観察していて、メディアとして提供すべき機能や体験を考えられる人です。さらにサービスを伸ばすときに必要なのが客観性。観察力と客観性、そこにプライドが加わるとベスト。考え方を踏まえた上でやりきるぞという気合と根性があるといいですね。

AIやアルゴリズムを扱っているというとなんだかやたら難しいイメージを持たれがちですが、実は意外と泥臭くものづくり感にあふれているんです。職人の息遣いというか、手触り感というか。日々やっていることは本当に地味な作業の連続です。

アルゴリズムも人がつくる以上、その人の思想や感情がしっかり入ります。つくってみたプロダクトが最初はいまいちだったとしても、アルゴリズムのチューニング次第でどんどんよいものになっていく。

地味だけど、すぐれたものをつくっているという意識はいま活躍している社員にも、これから新しく仲間入りする人たちにも持ってもらいたいところですね。

すぐれたものをつくる、という行為自体はなにかと比較されるようなものじゃありません。本気でエンジニアがプロダクトをつくっている。それをマーケティングが伸ばす、セールスが広げる。インフラを支える運用メンバーがいる。プロフェッショナルがそれぞれの職能をきちんと果たしているからこそ、グノシーというサービスは成り立っているんです。

この事実はこの先10年も、その先も変わることがないと確信しています。

Gunosy 代表取締役社長 竹谷 祐哉

竹谷 祐哉/代表取締役社長

早稲田大学創造理工学部経営システム工学科卒業。グリー株式会社を経て当社に参画。2013年8月取締役最高執行責任者、2016年8月代表取締役最高執行責任者、2018年8月より代表取締役最高経営責任者、2020年6月より代表取締役社長に就任。

投稿者 OjimaRyo