Gunosy 小澤 エンジニア インタビュー テクノロジー CEO賞 自然言語処理

第11期上半期AWARD受賞者インタビューVol.3

【CEO賞】小澤さん/テクノロジー本部 データサイエンス部 部長

こんにちは!広報の鈴木です。今回は第11期上半期にてCEO賞の栄誉に輝いたデータサイエンス部部長の小澤さんにインタビュー。受賞理由はもちろん、小澤さんの過去のキャリアや仕事に対する姿勢など、さまざまな角度から質問をぶつけてみました。Gunosyで活躍するデータサイエンティストの素顔に迫るテキストをご一読ください。

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専門性とビジネス、精緻さとスピード。常に最適解を追求するデータの番人。

広告本来のあるべき姿を求めて。地道な努力と改善で“三方よし”を実現する。

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研究をアプリに落としてユーザーに届ける

−これまでの経歴を簡単にご説明いただけますか

もともと大学院で博士号を得るまで研究を続けていたのですが、研究の内容をアカデミックな分野で留めておくのではなく、アプリケーションに落としてユーザーに伝えたいという気持ちがあったんですね。それが叶いそうなところを探した結果、株式会社はてなが自由度が高く研究にも寛容そうだ、ということで就職を決めました。

−はてなといえば「はてなブログ」で有名な

まさにその「はてなブログ」の開発にも携わっていました。他には「はてなブックマーク」や「Mackerel」というサーバ監視サービスの開発にも携わりました。

また、当時のはてなは受託開発にも力をいれていました。もちろんなんでもかんでも受けるのではなく、かなりしっかりと案件選定を行なっていました。任天堂やソニーとの協業で新しいWebサービスを作ったり、純粋な開発もあったり。私もそのいくつかに関わりました。

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−はてなには5年ほど在籍されていましたね

エンジニアファーストな風土でしたし、研究の具現化にも最適な環境でした。ただ、サービス開発が得意な会社なので、売上や会社拡大を考えると受託比率を上げた方が効率的だと思ったんですよね。私としては入社時の思いは変わっていなかったので、もう少しアルゴリズムをメインに取り組める会社に移ろうかな、と考えるようになりました。

その少し前から転職サイトに登録はしていて、いくつかの会社からスカウトが飛んできていたのですが、いよいよ本腰を入れて転職活動に入ろうと。Gunosyもその中の一社でした。

−いいタイミングだったわけですね

いや、実はGunosyからはその前にも一度お声がけいただいていたんですね。その時はまだ気持ち的にタイミングではなかったのでスルーしたんです(笑)。あらためてメールが届いたので今度は話を聞いてみようかなと。

Gunosyのことは知っていました。ちょうど就職した2012年のタイミングで創業し、翌年サービスがローンチされたこともありますし、業界でも話題になってましたからね。

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事業価値の最大化に向けてアルゴリズムを洗練させる

−数ある転職先候補の中からGunosyに決めた理由は?

研究ができそうだということがひとつ。あと、もともと自然言語処理をやっていたぐらいなので文章そのものが好きなんですね。文章の面白さを定量化したいという気持ちが密かにあったので、テキストベースのグノシーならフィットすると思ったのが理由です。

−入社後から現在に至るまでの軌跡を教えていただけますか

最初はグノシーアプリのアルゴリズムをつくる部署で1ヶ月ほどお世話になりました。慣れてきたタイミングでニュースパスのパーソナライズに携わります。これを半年ほど経験した後、LUCRAというサービス(トレンド情報アプリ。2023年2月サービス終了)でアルゴリズムをつくったりデータ分析をしたり、サーバサイド開発に携わったり。

そのあたりまで組織形態としてプロダクトごとに分かれる事業部制を敷いていたのですが、LUCRAに関わり始めた1年後にGunosy Tech Lab(以下GTL)の前身となるデータ分析部に異動。事業部横断の組織で、所属と同時にマネージャーになりました。

そこからしばらくしてGTLが立ち上がり、今に至る感じですね。現在の部署名はテクノロジー本部・データサイエンス部なのですが基本的な仕事はGTL時代と変わりありません。事業の価値を最大化するためにアルゴリズムを洗練させていくわけですからね。

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−小澤さんが仕事の上で大切にしていることはなんでしょうか

あまり自分の仕事の領域を決めつけない、ということですね。なんでも屋でありたい。エンジニアだし、専門性を強めていくことは大事なのでしょうけれど、実際には大きなシステムの中での専門分野の領域は本当にひと握り。サービスをきちんと作ってユーザーに提供するなら一部だけに閉じることなく、一通り全部できるようになるべきというのが持論です。

−研究に終わらず製品化し、ユーザーに届けたいという思いにも共通してますね

研究は研究として理想的な状況下で結果が出る。でも実際の事業は制約も多く、前提条件が研究とはまるで異なります。だから研究の基本的な価値は活用して、その間を埋めて製品にしていくわけです。製品はユーザーがどのように使うかもわかりませんしね。品質担保という側面もある。そこまで想像するためには自分の領域を決めきらないことが必要なんです。

−その考えは前職から一貫されているのでしょうか

そうですね…研究していたときにいいものを作っても一般の人に使ってもらえないことがあったんですね。研究という枠の中で一部の人にだけ使われるものを作るよりも、より広くいろんな人に使ってもらいたい。最先端の技術や研究じゃなくても、ちょっと古くても価値のある研究結果というものがあるんです。それを一般のユーザーに届けるほうが面白いと思っていたのがベースとしてありますね。

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「サイエンスで機会をつくる」の体現者として

−今回のCEO受賞にも小澤さんの仕事へのスタンスが影響しているように思えます

評価された取り組みの中で良かったのは、より細かくユーザーが何を求めているのかがわかり、それをどうアルゴリズムに落とすかの知見が得られたことです。アルゴリズムの改善にあたっては具体的に何がどんなユーザーに送られているのかデータを観たり、閲覧される記事の傾向などをあらためて徹底しました。

エンジニアの中でもアルゴリズムを作っている人はアルゴリズムで全部カバーしたくなるものですが、そこを技術的に難しいと判断して運用の人に入ってもらったんです。自動と手動を混ぜ込んだシステムを構築したんですね。人力の部分では運用フローも一人で作りましたし、自分でプッシュする記事を実際に選んで、日夜張り付きで最適化を図りました。

−まさになんでも屋といった活躍ぶりですね!

最適化の中のさらなる最適化を図っていった感じですね。物理的には結構大変でしたけど(笑)。ただ、それだけに受賞の際に木村さんから『サイエンスで機会をつくる』を体現していたと評されたのはうれしかったです。ユーザーにより良い体験を提供するため全力を尽くし、データをリアルタイムで観ながら実装・アクションまでつなげたと言われて、あの大変さが報われた気がしました。

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−小澤さんが今後目指していきたいものはなんですか?

基本的にはキャリアのスタートを切るときの気持ちは変わっていません。引き続き研究結果をプロダクトやサービスに落とし込んでユーザーに届けていくことです。ただ、そこに追加していこうと考えているのがビジネスや組織づくりに関する要素。ただサービスをつくるだけでなく、きちんと事業として成立させることや組織で取り組む仕組みといったことを加えて、よりバランスの取れた大きな円を描いていきたいと考えています。

−そう思うようになったのはキャリアの積み上げによるものでしょうか

そうですね。あとはGunosyに入ってから得られた視点といえるでしょう。Gunosy Prideにもある『三方よし』のうちの「ユーザー」にはエンドユーザーだけでなく、広告主やメディアも含まれますよね。エンドだけを見るのではなく、それ以外のステークホルダーも含めた上でのいいバランスを考えるべきだ、と。そしてその視点をどうアルゴリズムやシステムに落とし込むかというイシューはGunosyに入社してから考えるようになったことですからね。

−ありがとうございました!

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小澤さん/テクノロジー本部 データサイエンス部 部長

2012年、はてな株式会社に新卒として入社。「はてなブックマーク」「はてなブログ」などの主要プロダクト開発、さらには任天堂やソニーとの協業開発などに携わる。2017年、Gunosyにジョイン。グノシー、ニュースパス、ルクラなどの記事配信アルゴリズム開発を手掛ける。2023年6月より現職。最近では学会から招聘されて講演登壇も。好きなGunosy Prideは「サイエンスで機会をつくる」。

Gunosyエンジニアによるブログ「Gunosy Tech Blog」

Gunosyエンジニアによるブログ「Gunosyデータ分析ブログ」

投稿者 OjimaRyo