
第11期上半期AWARD受賞者インタビューVol.2【CEO賞】
上松さん(右)/マーケティングソリューション事業本部 広告企画部 マネージャー
村田さん(左)/テクノロジー本部 データサイエンス部 Ads ML マネージャー
こんにちは!広報の鈴木です。今回は『Gunosy 第11期上半期締め会』にてCEO賞に輝いた上松さんと村田さんをお迎えしてGunosy Adsに関するさまざまな取り組み、仕事の上で大事にしていること、今後のビジョンなどについてお伺いしました!
(Gunosy Adsとは、Gunosyが運営する情報キュレーションサービスやポータルアプリ「グノシー」「ニュースパス」「auサービスToday」内に掲出される広告プロダクトです)
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自分の領域を決めつけることなく、サイエンスで機会をつくり続けるトップランナー。
日々、小さなアップデートを積み重ねる
−この度はCEO賞おめでとうございます!まずはお二人の担当業務について教えてください
上松:広告企画部という部署で広告プロダクトの開発を手掛けています。営業やロジックチーム、広告開発チームやアプリチームなど非常に広範囲にわたる部署と連携を取りながら意見を集約し、プロダクトの収益性を上げるのがミッションですね。
村田:自分はデータサイエンス部内にある広告の機械学習チームに所属しています。CEO賞受賞時はメンバーとしてCTR(広告クリック率)の推定、CVR(顧客転換率)の推定など、商品購入に至る確率を推定する機械学習システムを作っていました。
−上松さんはディレクター、村田さんはエンジニアという感じでしょうか
上松:まさにその通りです。数字に向き合う中で改善余地を見つけ、仮説から分析を経た上でどこのチームと何をやっていくか、で仕事がスタートします。時には部署間で利益相反も起きますから、そういう場合は関係各所との話し合いの中でやるべきことを決めて推進する役割ですね。
村田:私は各アプリのユーザーに対してどんな広告を出すと体験的にも、また収益的にもいちばん良いかという判断をロジック面からサポートしています。開発までのみを担うのが基本ミッションでしたらエンジニアだと思いますが、データサイエンティストのほうがより正確かもしれません。
−お二人はいつもタッグを組んでお仕事なさっている?
上松:ほぼ毎日ですよね。
村田:直接でなくても間接的に必ずどこかでつながっていますよね。
上松:結局この仕事って打ち手の見極めがすごく重要なんですね。しっかり最初の段階で分析して、ここはこれぐらい改善余地あるとか問題があるという認識をビジネスサイドとエンジニアサイドで確認しあう必要があるんです。だから議論はとても大切。ディスカッションを通じて落とし所を見出すイメージです。
村田:今回、受賞理由になった取り組みもそうでしたよね。限られたリソースの中でスピード感やタイミングなど含めて議論した結果、やるべきことが決まりましたしね。
−打ち手の結果、Gunosy Adsとして進化を遂げた点は?
上松:よりマッチング精度が上がったところですね。ユーザーからすると欲しい広告と出会う確率が上がった。広告主からすれば適切なターゲットに広告を出せている。それが数字にしっかりあらわれていて、僕らにとっても収益が上がっていると。
広告主一社ずつを見ると微々たる改善かもしれません。だけど長期的に見ると確実にいい方向に前進している。この小さなアップデートを積み重ねていくことが大切ではないかと思っています。
村田:まさに、地道だけど着実ですよね。受賞の時に木村さんからも「行動指針“GunosyPride”のひとつである“百年クオリティ”を体現した」との言葉をいただきましたが、目先だけでなく長い目で見ても有効な取り組みだと認識しています。
半径5mでユーザーマインドをつかむ
−上松さんが仕事の上で大切にしていること、意識していることは?
上松:僕は当社の行動指針「GunosyPride」の中でも特に「三方良し」という言葉が好きで、ふだんから意識しています。前職は代理店だったのですが、目線が常に広告主のほうを向いていた。いかに予算をたくさんいただけるかということにのみ注力していたんです。ユーザーにどんな広告が露出されていたとしても広告主が喜ぶなら是。どうしてもそういう思考に陥りがちでした。
だけど、Gunosyは広告プロダクトを提供する側。使ってくださるユーザーがいてはじめてアプリが成り立ちます。そこに広告主がいてくださって、はじめて僕らは存在できる。だからこそユーザーと広告主の双方に喜んでもらえる状態に持っていかないと、自分たちも良い結果が出せないんですね。
−バランスが大事なんですね。村田さんはいかがですか?
村田:割と上松さんと似ていて、私もユーザー視点は特に重要視しています。というのも私たちはロジックの改善などについ学術的な論点、あるいは手法ベースでアプローチしがちなんです。イシューからはじめる際も数式的にはこうやると正しいよね、みたいな。
でも最終的なゴールはユーザーの課題解決。手法ありきの取り組みでは課題が解決しなかったり、数字に跳ね返ってこなかったりする。常に今のユーザーの課題は何か、それに即して解決策を探るよう意識しています。
−ユーザー視点を常にアップデートするために心がけていることは?
上松:自社アプリはもちろん、他のアプリでも広告面は意識してみるようにしていますね。自社の場合はふだんから目にしているので「こういうものだろう」と流せるんですが、他のアプリと比較すると「これちょっと嫌だな」とひっかかりが出てくる。その観点を持ってあらためて自社アプリを見る、とかですね。
村田:同じですね。他社アプリを見にいってもなんとなく広告だけが目について、このあたりがパーソナライズされているな、とつい分析してしまいます。自分のユーザー行動のどのあたりがパーソナライズに影響を与えているかを推測しながらウチのアプリに活かすとしたら…と考えたり。
あと私の場合は家族ですね。年齢が違う世代がどういう風にアプリに触れるのか、広告に対してどんなリアクションを取るのかを見たりしています。
−広告主側の情報は比較的手に入りやすい?
上松:営業と近いチームなのでそのあたりは直接キャッチアップできますね。転職当初はマーケティングチームにいたので予算を出す側の気持ちは理解していますし、その前は代理店ですから。出稿側のインサイトは比較的しっかり掴めているかと。
村田:広告主側の声が聞ける機会があれば積極的に聞くようにしています。データでわかることはあくまで平均値です。施策が良かったかどうかは個別の問題ですし、状況によりけりですからね。ヒアリングの結果、我々は有効な打ち手だと思っていたのに広告主からすると大して必要ではなかったとか。広告主の声は施策の取捨選択に、とても参考になりますね。
“百年単位”を意思決定の基準にする
−プロジェクト内でのコミュニケーションはいかがでしょう?
上松:僕らビジネスサイドからすると当たり前のこと…たとえば広告主ってこう思ってるよね、というようなことも、社内の別部署から質問されてはじめて当たり前じゃないって気付けることが多いんです。
ここのところ特にコミュニケーションが活発になってきて、各部署いろいろ聞いてくれるので逆に僕らにも発見があります。考えの違い、理解の違い、視点の違い。その都度こちら側の意見を伝えられるので、お互いの認識の粒度が揃ってきました。
村田:最近、すごくいい感じですよね。
上松:それもCEO賞受賞につながっていると思いますよ。間接的ではあるけど。
−チームとしての関係性も順調そうですね
上松:とはいえ施策の全てが上手くいくとは限りません。取り組みの成果がプラスに出るかどうかは紙一重だったりもします。そこが難しいし、面白いところでもあるんですけどね。
見極めが本当に大事だなと。
村田:やってみないとわからないことが結構多いんですよね。新しい取り組みの場合は特に。分析でわかることはいままでの結果でしかないし、新しいことにチャレンジした結果どう動くかはログに残っていないので。
かといって新しいことをやるのに1ヶ月も2ヶ月もかけて、やってみたら駄目でしたというのも厳しい。A/Bテストにしてもテスト範囲内なら問題なくても100%適用させた先ではログが変わってくるので、どんな副次的効果があらわれるかわかりません。やはり見極めが大事ですし、難しいところでもあります。
−今後のビジョンをお聞かせください
上松:Gunosyの広告プロダクトはまだまだ完成途中。進化できるところがたくさんあります。またデジタル広告市場も進化していますし、広告主の要求も多様化してきています。この流れに遅れることなく、むしろ先んじていろいろな可能性に挑戦していきたいと思っています。そのためにはインプットとアウトプットに幅を持たせていく必要があるかなと。
−環境もどんどん変わっていきますね。デバイスも進化していくなど
上松:おっしゃる通りですね。アプリも進化しますし、単に広告プロダクトだけの問題ではなくなっていくかもしれません。いずれにせよ、どのような形であろうとユーザーと広告主に対して価値を提供できるようなプロダクトに進化させていきたいですね。
−村田さんはいかがでしょうか?
村田:今後一層、ユーザーに対して最適に届けられるシステムを作っていければと思います。これからどんどん機械学習やLLM(大規模言語モデル)、ディープラーニング技術も活用していくことになるでしょう。もちろん現時点でも動いていますが、精度をもっともっと上げていきたいです。
上松:これもまさしく進化ですね。広告本来のあるべき姿を追求しつつ、試行錯誤を繰り返しながら地道に、着実に三方良しを実現していきます。
−ありがとうございました!
上松さん(右)/マーケティングソリューション事業本部 広告企画部 マネージャー
大学卒業後、広告代理店にてデジタル広告運用の経験を積む。2019年Gunosyに入社。グノシーやLUCRAのマーケティングを経て現職。趣味はバスケ、ゴルフ、バイク。
村田さん(左)/テクノロジー本部 データサイエンス部 Ads ML マネージャー
大学院卒業後、2020年に新卒としてGunosyに入社。テクノロジー本部 データサイエンス部(旧GunosyTech Lab)Ads MLにてCVR推定のロジック改善に携わる。趣味はアニメ、ランニング、寝ること。