「GUNOSY AWARD 2026」のノミネート者インタビュー最終回は、コーポレート本部 人事部に所属する梅田さんです。労務担当として“安定稼働”の土台を守りながら、なぜ今、マネージャー支援に踏み出したのか。マネージャー同士が悩みや知見を共有できる場づくりから、人事領域のDXまで、「百年クオリティ」に通じる取り組みの裏側を伺いました。

労務として担う役割と土台で現場を支える意義

― この度は、ノミネートおめでとうございます!まずはこれまでのご経歴と、現在の業務内容について教えてください。

ありがとうございます!これまでは規模や業種の異なる企業で、人事領域に携わってきました。Gunosyには労務担当として入社し、給与・社保・評価運用などをメインに担当しています。

― バックオフィスとして大切にしている考え方はありますか?

バックオフィスは、直接利益を生む部門ではないと思っています。ただ、会社が成長していくためには、社員が安心して働ける「安定稼働の土台」が欠かせません。その土台があるからこそ、現場を支えたり、組織全体を底上げしたりできる。私は「土台を強くすることが、結果的に全体の推進力になる」と考えています。労務の仕事は、限られたリソースの中で、ミスや漏れなく業務を回すことが最低ラインです。その前提の上で、属人性を排除し、仕組みとして安定稼働をつくることを、常に意識してきました。

― この上期で期待されていたミッションは何でしたか?

今期は、組織の要であるマネージャーの方々を支援することがミッションでした。マネージャーは経営層とメンバーの間で板挟みになりやすく、一人で抱え込みやすい立場だと思います。個人のスキルに頼りきるのではなく、組織として課題を解決できる共通の土台が必要だと感じていました。その一歩として、マネージャー同士が悩みや知見を共有できる場づくりに取り組みました。

― ワークショップを企画する上で、こだわっていたことはありますか?

多忙なマネージャーの皆さんに、ほぼ終日時間をいただく企画だったので、「貴重な時間を奪うだけの場にしない」ことを一番大切にしていました。やるからには些細なことでもいいので、何かを得て帰っていただきたかったんです。「無駄な場にしたくない」という責任感が、いちばん強かったと思います。プレッシャーよりも、その責任感のほうが大きかったですね。

― 初めての試みを、どのようにしてゼロから組み立てたのでしょう?

「集まって共有できればいい」だけの会にはしたくありませんでした。マネージャーの皆さんが抱える悩みや負担を軽減し、Gunosyを担う強固なマネジメント基盤を共に築いていきたいという経営層の強い意向があったので、そこにちゃんとリンクさせる必要があると考えました。まずは「Gunosyのマネージャーにどうあってほしいか」を経営側と握り、そこから構成へ落とし込みました。経営の意図と、現場のリアルをつなぐ作り方を意識しました。
当日のコンテンツは、組織運営部のマネージャーである迫さんとの対話が、大きな起点になりました。現場マネージャーとしてのリアルな悩みや声をもとに、「どう解消できるか」を考えていきました。アイデア出しでは生成AIも活用し、条件を与えて案を出してもらいながらたたきを作り、理想を具体的にしていきました。

百年先につながる、マネージャーが主役の設計

― 成果につながった工夫や、こだわりが成果に結びついた場面はありましたか?

ワークショップの「構成順序」には特にこだわりました。先に答えを聞いてからワークをするのではなく、あえてインプットを後ろに置いたんです。まず参加者が自分の言葉で考え、発することで自主性が働く構成にしました。自分ごと化したあとに聞く話は、響き方が変わると考えています。
「百年クオリティ」という観点では、一過性の成果ではなく、永続的に価値を発揮し続けることが求められていると捉えています。マネージャーの皆さんは日々それぞれ試行錯誤し、知見を蓄えていますが、個人の中に留まると属人化してしまいます。それを組織として共有できる“共通言語”にしていくための、スタートラインが今回のワークショップでした。この取り組みが続けば、知見が循環し、組織の土台が強くなると考えています。

― 今回の取り組みで、最も悩んだポイントはどこでしたか?

経営陣との合意形成には、最も苦心しました。経営陣の皆さんは自ら現場で試行錯誤し会社を築いてきた自負があり、「組織をより良くしたい」という熱量ゆえに、伺う意見の一つひとつには実体験に基づいた強いこだわりが込められています。マネジメントに唯一の正解はなく、実際、どのお話も本質を突いた「正解」ばかりでした。だからこそ、どれかを選択して他を捨てるのではなく、その多様な正解を「どう一つの仕組みに統合していくか」という点に、最後まで頭を悩ませました。

― そこからどのようにして最終形まで持っていったのでしょう?

ありがたかったのは、部長の岩瀬さんが最終的なオーナーシップを持つ、と示してくださったことです。そして、「主役はあくまで現場のマネージャー」という原点に立ち返ることができました。具体的には、経営陣の熱い想いは“スパイス”として後段に配置する構成にし、まずは最低限の土台となる指標を洗い出すことで施策のブレを抑えました。バラバラに見える多様な意見も、エッセンスとして散りばめる形でまとめていったのです。こうすることで、経営陣の想いの純度を落とさず、マネージャーの皆さんが日々の判断に活かせる「共通の引き出し」という形に落とし込めたと感じています。

― チームに支えられたと感じた場面はありましたか?

企画設計では、迫さんからリアルな助言や進め方のフォローをたくさんいただきました。また、壁打ちに時間を使う中で、定常業務を労務メンバーの岡村さんが拾ってくれていたのは本当に助かりました。
当日の運営では岩瀬さんの臨機応変な進行が大きく、写真撮影やお弁当の手配など細かな準備も、人事部や組織運営部のメンバーにお手伝いいただくなど、「一人で進めたことは何もない」と感じるくらいの協力がありました。今回のノミネートについて、自分としては「特別なことをした」という感覚は正直あまりなくて、たまたま表に出やすい役割だっただけだと思っています。むしろ、今回のワークショップはこうしたたくさんの人の協力があって成り立ったので、チーム全体が評価されたのだと受け止めています。

原動力は「いい環境をつくりたい」という一点

― 高い基準で走り続けられた原動力は何でしたか?

正直、自分はモチベーションが高いタイプではないと思っています。ただ、せっかく働くなら組織や環境を良い状態にしたい、という気持ちは常にあります。居心地が悪いと良いパフォーマンスが出せないので、「いい環境を作ること」が自分の原動力です。悩みを共有できるだけで心理的に楽になる、そういう場をワークショップを通して作りたかったのです。

― ワークショップ実施後の反応はいかがでしたか?

参加者の皆さんが受け身ではなく、能動的に前向きに取り組んでくれたことが印象的でした。終了後のアンケートでは、「普段話さない人と会話できて良かった」「知らなかったことが知れた」との声があったのですが、座席は部署や職種、経験年数がなるべく被らないように工夫し、ワークごとにテーブル編成を変えて会話する相手が自然に入れ替わるようにしたので、狙いが届いた感触がありました。多忙の折に参加していただいた中で「やらされ感」が1人も見えなかったのは、Gunosyの人の良さや意識の高さだとも感じました。

― 自分自身成長したと感じる点はありますか?

労務はミスや漏れがないのが大前提の『減点方式』の側面が強く、どうしても新しい挑戦より「守りの仕組み化」に舵を切りがちな面がありました。一方で今回の取り組みは、正解がないものを形にしていく、企画の仕事に近い経験でした。経営陣のさまざまな思いを受け止めながら形にすることは、考え方自体がこれまでと違うと気づきました。新しい視点を取り入れられたことが、自分の中では大きな変化です。

組織の生産性と品質向上を同時に実現

― ワークショップ以外での取り組みとして、人事データベースのDX化や生成AIを活用した効率化についてもノミネート理由として挙がりました。具体的にはどのような推進をされたのでしょうか?

入社・退職まわりの人事情報連携の自動化を進めました。人事情報は機密性が高く、これまでは人事側で必要な情報だけ加工して展開する負担がありました。ここでは、情報管理チームやDXチームに並走していただき、セキュリティを担保しながらスムーズなデータ連携を行うための仕組みづくりを多方面から助けていただきました。専門的な知見から多大なるサポートをいただいたおかげで、入社時点で必要情報を人事DBに入れ、参照してもらう仕組みにすることで手間とスピード面の改善を狙いました。導入とテストは完了していて、今後の本番運用で効果が見えてくる段階です。

― 日頃の業務で大切にしている考え方はありますか?

1つ目は「目的は何か」を必ず最初に考えることです。目的さえ見失わなければ、アプローチが違ってもゴールは揃えられると思っています。2つ目は全体最適です。自分の負荷が増えても、全体として楽になっているなら、それは価値があると考えています。

― これからGunosyで成し遂げたいことを教えてください。

Gunosyで働く人が「ここで働いて良かった」「この会社を誇りに思える」と感じられる組織にしていきたいです。入社して感じた、人の質の良さやフラットさが心理的安全性につながっている文化は、Gunosyの良さであり強みだと思っています。その文化を維持したまま、さらに生産性が高い組織にしていく。居心地の良さと働きがいが両立する土壌づくりに、バックオフィスとして貢献していきたいです。「私が脚光を浴びたい」というより、チームや組織が成功することが一番だと思っているので、地味でも日々できることをコツコツ積み上げるだけです。その中で良い種があれば、きちんと育てていきたいと思っています。

【profile】梅田さん コーポレート本部 人事部
複数業界で人事領域を経験し、Gunosyへ労務担当として入社。給与・社保・評価運用を軸に、属人化を防ぐ仕組み化と安定稼働の土台づくりを担う。上期はマネージャー支援のワークショップ企画・運営や、人事領域のDX推進にも取り組んだ。

〜今日から実践できる、仕事を前に進めるヒント〜
梅田さんへのインタビューを通して見えてきたのは、バックオフィスという立場から、組織全体を前に進めるために積み重ねてきた、地道で誠実な工夫でした。派手な成果よりも、「誰が主役か」「何のためにやるのか」を問い続ける姿勢こそが、仕事を前に進める力になっているように感じます。

1. 迷ったら「目的は何か」に立ち返る
2. 個人ではなく「全体で楽になるか」を考える
3. 人の時間を預かる意識を持つ

―これまで全3回にわたって、「GUNOSY AWARD 2026」ノミネート者インタビューをお届けしてきました。日々の仕事に向き合う一人ひとりの姿が、今のGunosyを支えています。

※撮影場所:WeWork 渋谷スクランブルスクエア

投稿者 gunosiru